モテるんは俺の趣味やっ!

「たっちゃんたっちゃん!!」






今度は、肉屋のおっちゃんが商品ケースの向こうから声をかけてくる。







「おっちゃん! もうかりまっか〜?」






「はははっ、ぼちぼちでんな〜。

焼き鳥、味見させたるで!!」






「えぇっ、ええのん?」






「ええ、ええ、たっちゃんが美味い言うてくれたら、売り上げアップや!!」






「ほな、お言葉に甘えて……」






今度は、焼き鳥二本があたしたちのもとに降ってきた。






たっちゃんと商店街を歩くと、一往復しただけでお腹いっぱいになれそうだ。






まだ温かいネギ間を味わいながら歩いていると。







「たっちゃん、覚悟ぉ〜〜っ!!」





「んっ!? 何奴!?」






お次はガキんちょの登場や。







「ぶしゃーーーーっ!!」





「ぐはぁーーーーっ!!」







ガキんちょの見えない剣に斬られて、たっちゃんは顔を歪め、腹を押さえて片膝を突く。







「………くっ、権左衛門、お前もか……」





「ははは、俺を恨むなよ、時代を恨め!」







わけのわからん捨て台詞を吐いて、ガキんちょは駆け去っていった。