モテるんは俺の趣味やっ!

ステージに上がると、真下にたくさんの顔が集まっていた。





「ミサキさーん!!」




「セイジさーん!!」






一回生たちが手をたたいて盛り上げてくれている。






「カホ、かわいー!!」




「手ぇ震えてへんか? 緊張せんとがんばりやー!!」




「遅刻魔サクマー、今日は間に合うたんか!!」






先輩らも笑いをとりつつ、大声で盛り上げてくれる。







あたしはマイクの前に立ち、スタンドの高さを調整して、まっすぐに前を見た。







ーーーたっちゃんが、最前列に陣取っている。





あたしと目が合うと、にこっと笑って手を振ってきた。





あたしもちらりと手を上げる。






そこで、セイジのギターが、きゅぃいん、と鳴り響いた。





サクマのベースとカホのドラムがそれに合わさり、メロディが形作られていく。