モテるんは俺の趣味やっ!

「たっちゃんてな、ほんまに明るくて、天真爛漫で、優しくて屈託ないけど、それは誰に対してもおんなしや。



せやけどな、ミサキにだけはそういうのとっぱらって話しとる。


明るくて優しいとこは変わらん思うけど、なんちゅうか、人には見せへん顔見せとると思うわ。


うまいこと言葉にならへんけど………」







ヤマモトさんの洞察は、当たっているだろう。





たしかにたっちゃんは、あたしだけに見せる顔がある。




でもそれは、あたしとは趣味が合うからで、しかもあたしにモテようとはしてへんからなんやと思うとったけど。







「ほんでな、ミサキも一緒や。


他の人に対しては、どうも一線ひいとる感じやけど、たっちゃんにだけはちゃう。



せやから、たっちゃんならミサキを変えれる思うとったよ。



………ほんまはちょっと、悔しいけどな」







ヤマモトさんの微笑みは、今まで見た中でも、ダントツに優しかった。