モテるんは俺の趣味やっ！

「あれが噂の『たっちゃん』なん？」





「そやで。噂どおり、じゃかあしかったやろ？」





「せやな、ま、おんなしくらいあんたもじゃかあしかったけどな」





「あれはあっちの口車に乗せられてん、あたしは悪くない」





「せやろなぁ、あんた一人のときはごっつ無口やし暗いもんな」






ユナは可笑しそうに笑っていた。




ほんま、言いたい放題いってくれるわ。






「せやけど、初めてあの子見て、やっと噂の真相が分かったわ」





「は？　噂の真相？？」





「んー、『たっちゃんほどモテるやつはいない、たっちゃんは誰からも愛される』みたいな」






ほうほう、そない言われとるんか、あのお花畑男は。




ま、間違ってへんけどなぁ。







「そりゃなあ、当たり前や。


だって、たっちゃんはな、愛されるためには努力を惜しまへんねん」






「ほう？」






ユナが興味津々といった顔をする。





あたしは突然、今までたんまりと情報収集してきた『たっちゃん行動記録』を誰かに披露したくなって、ユナに話すことにした。