モテるんは俺の趣味やっ!

あたしの知らないところで、こういうふうに、大きな心と温かい目で見守ってくれていた人がいたということは、なんとなくこそばゆく、でも嬉しい気持ちがした。






「…………ヤマモトさんて、ほんま、優しい人ですね」






あたしが思いのままを素直に口に出すと、ヤマモトさんがいたずらっぽく目を細めた。







「俺を振ったん、少しは後悔してくれるか?」






「なっ、なに言うてはるんですか!


からかわんといてください………」







ヤマモトさんはからからと笑った。




そして、思い出したように口を開く。







「そぉいやな?


実は、たっちゃんの気持ち知っとったの、俺だけやないんやで」






「………え? と言いますと?」






「三回生はたいがい気づいとったな。


たぶん二回生も気づいとるんちゃうか。



ほんで、みんな、陰ながらたっちゃんの恋路、応援しとってん。


たっちゃん頑張れーてな」






「……….うそやん」