モテるんは俺の趣味やっ!

「たっちゃんと話して、ミサキの態度も釈然とするようなって。


せやから、ミサキが別れたい言うてきたときも、素直に受け入れられてん。



俺は急ぎ過ぎたんやな、て。


たっちゃんみたいに、ミサキの気持ちとか考えてへんかったから、うまく行かんでも当然や、てな」







ヤマモトさんがそんなことを言うので、あたしは申し訳なさすぎてしょうがない。






「………そない言わんといてください、ヤマモトさん。


あたしかて、ヤマモトさんがあたしなんかに告白してくれはったんは、ほんまに嬉しかったんです。


付き合うとるときも、むちゃくちゃ優しゅうしてくれはったし。


うまく行かんかったんは、あたしがあかんかったんです」






「………ん。おおきにな」







ヤマモトさんは清々しい顔で笑った。







「俺らが別れたあとも、お前らのことは気になっとったよ。



ミサキとたっちゃんはみるみる仲良うなって。


あぁ、たっちゃんは、自分の気持ちを隠して、ミサキの男友達っちゅう位置を獲得したんやな、て感心したわ。


ミサキがどんどんたっちゃんに心ひらいていっとるんも、見とれば分かったし。



まぁ、俺ができひんかったことを、たっちゃんがうまいことやり遂げたんは、複雑な気ぃもしたけどな。


そのころには俺もだいぶ気持ちの整理ついとって、たっちゃんに頑張りや、て言える状態になったな」