モテるんは俺の趣味やっ!

そう思っているあたしの気持ちが伝わったのか、ヤマモトさんはさらに言い募った。







「たっちゃんはな。


バーベキューで、みんなが馬鹿笑いしとるときに、一人だけむすっとしとったミサキが、気になったやて。


俺がなんとかして楽しい顔させたろー思たて。



ほんで、ミサキがやっとのことで、ちょっぴり笑うてくれた瞬間、『世界がバラ色になった』言うてたわ」






「…………世界が、バラ色………」







やっぱりあほや、あいつは。





心当たりは、あった。




あたしは初め、本気でたっちゃんにドン引きしていた。




趣味もモテること、長所も短所もモテること、将来の夢もモテること。



口を開くたびに「モテるモテる」と言うので、ほんまにどんなあほやねん、と呆れていた。





でも、あんまりにも屈託のない、無邪気な顔で繰り返すので、だんだん、呆れているこっちのほうがあほらしく思えてきて。





あたしは思わず、気が抜けたように笑ってしまったのだ。




自分の怒りっぽさとか、悩んでいることとか、ぜんぶ本当にくだらないちっぽけなことのような気がしてきて。





たっちゃんの曇りのない明るさで、あたしの心が溶かされた感じだった。





たっちゃんは、そんなあたしの変化を、敏感に感じ取ったんだろう。




それで『世界がバラ色に』なるあたり、やっぱりお花畑だけど。