モテるんは俺の趣味やっ!

「―――信じたりぃな。


たっちゃんは、冗談とか、生半可な気持ちで、そないなこと言うやつやないやろ?


そのことは、ミサキがいっとう、よう分かっとんのやないか?」







「…………はい」






あたしは素直に頷く。



まったくその通りだ、と思ったから。




たっちゃんは究極のモテたがり屋だけど。



でも、モテたいからって、特定の誰かに、軽い気持ちで『好き』だというようなことは一度もなかった。




つまり、相手をだまして、乗り気にさせて、好きにならせるような方法は、とらないのだ。





ということは。




たっちゃんは、本気で、あたしのことを―――



好きやと、ヤマモトさんに言ったということ。






そう思うと、だんだん、不思議な気持ちになってきた。





頭に血が昇ったように、顔が熱くなってくる。



心臓がどくどくと胸を打つ。



耳の奥のほうで、ぼわぁんと遠い鐘が鳴るような音がする。



握りしめた掌がしっとりと汗ばんでくる。








…………うわ。




たっちゃん、ほんまに?




ほんまかいな。






………どないしょお………。