モテるんは俺の趣味やっ!

「えぇ………うそやん。



そんなん………やぁ、信じられへん」







無意識のうちに、そんな言葉が口から飛び出した。






だって、ほんまに、信じられへんもん!!




あんだけずっと一緒におって、たっちゃん、そんな素振り見せたこと、いっぺんもなかったで!?








「………ヤマモトさん。


それ、聞き間違いとちゃいますか?



『好きになってもおた』やなくて、『スキーに行ってもおた』とか、『スルメになってもおた』とか……」








あたしがおそるおそる訊ねると、ヤマモトさんが「なるほど」と手を打った。








「あ、そかそか、『ミサキがスルメになって』……てあほか。


どんな相談やねん」







ヤマモトさんは見事なノリツッコミを披露したうえで、あたしの頭を軽く小突いた。




他人から突っ込まれるという、あたしにとってはかなり貴重な体験だ。