モテるんは俺の趣味やっ!

今日はあまり風が強くなくて、ヤマモトさんの吐き出した煙が、ゆらゆらと周りを漂っている。





ヤマモトさんが、「あのな」と小さく言った。




あたしはヤマモトさんに目を向け、続きを待つ。






「たっちゃんがなぁ」





「はい」





「去年な、俺に『話聞いてください』言うて、相談事してきたことがあってん」





「相談……ですか」







意外だった。



あのちゃらんぽらんお花畑男に、どんな悩み事があるんだろうか?







「どんな話やったかっちゅうとな」





「はい」





「ミサキのことやってん」





「…………はぁ」





あたしは気の抜けた返事をしてしまう。





だって、あたしの何について、たっちゃんが相談する必要があるだろう?



しかも、ヤマモトさん相手に。





わけ分からんやん。