モテるんは俺の趣味やっ!

「知らんわ。なんであたしに訊くねん」





あたしが言い返すと、セイジは意外そうに目を丸くした。






「え。一緒に来てへんの?」





「来てへんわ!」





「へぇ? そおなん?

いつもライブとか一緒に来るやん」





「あれはたまたま駅とかで会うて来とるだけや。

そないいつもいつも一緒におるわけやないっちゅうねん」





「なにムキなっとんねん」





「なってへんわ!!」






あたしは顔をしかめてセイジに背を向けた。





今日歌う曲の確認をするふりをして、ヘッドホンを装着して自分の世界にこもる。






ーーー先週の土曜日、たっちゃんと話して以来、あたしたちは会っていない。




何回かメールのやりとりはしたけど、それもたいした内容ではない。





『今日、俺に似合う可愛ええTシャツ見つけた♪』みたいな写真つきのメールをもらって、『それはよござんした』みたいな返事を返したくらいのものだ。