モテるんは俺の趣味やっ!

ーーーほんま、たっちゃんて、なんなんやろ。




たっちゃんの目には、どんな人でも、良いように映るらしい。





あたしみたいな毒舌で無愛想なひねくれ者の天邪鬼を相手にして、こんなふうにプラスに考えられるというのは、ものすごく凄いことのような気がする。





本人には自覚はないんだろうけど。




それは、たっちゃんの天賦の才能だと思う。







「ーーーつまりなぁ。


そいつは、人を見る目がなかってん。



自分からミサキに告っといて、ミサキの良さが分からんで、ほんで二股かけて、挙げ句ミサキのこと悪う言うとか……ほんま、器のちっさい男や。



俺はそう思うわ」






「いや、それは、たっちゃんのフィルターが特殊すぎるんやと思うけど」






「え?」






「たっちゃんのフィルターて、ひとの悪いとこはずる抜けして、良いとこだけすくい取るっちゅうか。


むしろ、悪いとこまで良いとこにしてまうような、どえらい特殊なやつなんやわ」





「せやろか」





「せやねん」






あたしが断言すると、たっちゃんは不思議そうに首を傾げた。




まぁ、ひとは自分のことはよう分からんて言うしな。




たっちゃんのええとこは、あたしが分かっとったらええねん。