モテるんは俺の趣味やっ!

たっちゃんはこくりと頷いて、あたしを見つめて微笑んだ。







「うん、話してぇな、ミサキ。


ほんで、ぜんぶ吐き出してまい」







優しい声に、また泣きそうになってしまったけど。




あたしは深呼吸をして、話を再開した。







「………そいつとは、それっきりや。


まったく会うてへんし、喋ってもない。



せやけど、な………。

なんやろ、あいつの言うたことが、自分でもびっくりするくらい、ショックやってん。


たしかにあたしは口悪いし、根暗やし。



なんやろなぁ。

別にあたしは、『誰かに好きになってほしい』なんて考えたこともなかってんけど、『誰にも好きになってもらえへん』て他人から言われると、な。


なんやその言葉が忘れられんくなってもうて………どうせそんなんなら、思ったこと全部言ってまえ、てやけくそなって。


それ以来、口の悪さに磨きがかかったな。


変な言い方やけど、トラウマっちゅうやつやろな………」







たっちゃんは黙って聞いてくれている。





あたしは高校時代の後半を思い出して、情けない気持ちになっていた。




誰彼かまわず言いたい放題言うようになって、家族にも友達にも眉をひそめられることばかりだった。