モテるんは俺の趣味やっ!

「………なにをそない怒っとんの、たっちゃん………。


あんたこの前、どんな相手やってもむかついたりせえへんのやて言うてへんかった………?


あたしそれ聞いて、けっこう尊敬してんけど………」






あたしがおずおずと訊ねると、たっちゃんはきっとこっちを向いた。






「それとこれとは話が別やっ!!」






「えぇっ!?」






「だってそいつ、最低な男やん!!


最低な男には俺かて腹立つねん!!」






「…………さいでっか」






あたしは頷くしかない。







「だってな?


彼女と上手くいかんようなって、他の女の子とデートしたいんなら、彼女に別れよて言うんが先やろ!?」






「まぁ、そらそぉやけど………」






「せやのに、ミサキとの関係はそんままにしとって、隠れて他の子ぉと会うとか、最低や!!


そんなん、二股やん!!



そいつはつまり、ミサキと別れたくはなかったんや!!


ほんでも他の子ぉとも遊びたなって、言葉は悪いけど、ミサキをキープしとったんや!!


二股の相手が気に入らんかったら、ミサキとやり直そ思うとったんやて!!



あーもーっ、ほんっまに最低やで!!」