モテるんは俺の趣味やっ!

「あの男が、どないしたん?


ヤマモトさんのことと、なんか関係あるんか?」







「うん………。


ヤマモトさんと上手くいかへんかったのは、たぶんあいつのせいーーーちゅうか、あいつのことで臆病になっとったあたしのせい、やな」







ヤマモトさんと別れるにいたったことを、他人のせいにするのも違うような気がして、あたしはそう言い直した。







「………どーゆーこと?」






たっちゃんが首を傾げている。




たしかに、今の話だけでは、なんのことか理解できないだろう。







あたしは大きく息を吸い込んで、たっちゃんの目をじっと見つめながら、とうとう打ち明け話を始めた。







「若気の至りゆうか、告白されて舞い上がっとったんやと思うけど、あたしはたいしてよう知らんそいつと付き合いだしてん。


まぁ、高校生の付き合いやし、一緒に帰ったり、休みの日ぃに映画観に行ったりする程度やったけど。


それなりに上手くいっとって、半年くらいは付き合ったかな………。



でも、だんだん会う頻度が減っていって、メールも電話もせんようになって。


二年に上がったらクラスも分かれて、もっと疎遠になっていってん。



そんであたしは、あぁ、このまま自然消滅てやつかな、思うとった」