モテるんは俺の趣味やっ!

………ほんっま、じゃかあしいやつ。



こうるさぁてかなわんわ。



付き合うてられへん。






でもまあ、去り際の言葉は、いかにも、たっちゃんらしかった。





あんだけどぎつぅ騒ぎたおしといて、最後には「ジャマしてごめん」「がんばりや」、そして「カラオケ楽しみにしとる」、やて。



アフターケアを忘れへん男、たっちゃん。



おそるべき手練手管やで。




あーゆーうとこ、どんだけ変人でも、たっちゃんが嫌われへん所以かな。





頬杖をついてたっちゃんの後ろ姿を見送りつつ、あたしがたっちゃん研究を鋭意進行していると。






「………あのぉ」






控えめに声をかけられて、あたしは「ん?」と振り向いた。



話しかけてきたのは、さっき、たっちゃんに『俺、可愛ええやんな?』攻撃を受けていた女の子たちだ。






「なんですか?」






あたしは、我ながらぶっきらぼうに答えた。





………ちょっと冷たいかもしれへんけど、しゃあないやん。



あたし、こーゆー『ゆるふわ系女子』は苦手やねんもん。