あたしは、ごくりと唾を飲み込んで、気持ちを落ち着けるために、わたあめの頭を撫でる。
柔らかい毛並みに触れていると、口に含んだわたあめのように心がしゅわしゅわ溶けていくような気がした。
「………あんなぁ」
あたしがゆっくりと口を開くと、たっちゃんがこくこくと頷く。
そのさまが犬みたいで、あたしはさらに気持ちが解れていく感じがした。
「高校のころ………クラスの男の子に告白されて、付き合うたことあってん」
「………そ、ぉなんや………」
たっちゃんは顔を俯けて小さく呟いた。
と思ったら、はっと顔を上げる。
「もしかして、こないだの写真ーーーあれが、その相手?」
「あぁ、うん………」
たっちゃんと一緒に喫茶店でお昼を食べたとき、ポケットから落としてしまった写真。
あれは、たしか告白されて付き合いだした直後の遠足のときだったか、そいつと撮ったものだった。
そいつに関するものはぜーんぶ捨ててしまったはずなのに、一枚だけ、本棚の本にも紛れて眠っていたのだ。
柔らかい毛並みに触れていると、口に含んだわたあめのように心がしゅわしゅわ溶けていくような気がした。
「………あんなぁ」
あたしがゆっくりと口を開くと、たっちゃんがこくこくと頷く。
そのさまが犬みたいで、あたしはさらに気持ちが解れていく感じがした。
「高校のころ………クラスの男の子に告白されて、付き合うたことあってん」
「………そ、ぉなんや………」
たっちゃんは顔を俯けて小さく呟いた。
と思ったら、はっと顔を上げる。
「もしかして、こないだの写真ーーーあれが、その相手?」
「あぁ、うん………」
たっちゃんと一緒に喫茶店でお昼を食べたとき、ポケットから落としてしまった写真。
あれは、たしか告白されて付き合いだした直後の遠足のときだったか、そいつと撮ったものだった。
そいつに関するものはぜーんぶ捨ててしまったはずなのに、一枚だけ、本棚の本にも紛れて眠っていたのだ。



