モテるんは俺の趣味やっ!

「………なぁ、ミサキ」





「んー?」





「野暮なこと、訊いてええ?」





「なんやねん、野暮なことて」






たっちゃんが顔を上げ、明るい瞳であたしをまっすぐに射た。






「………なんで、ヤマモトさんと付き合うたん?


ほんで、なんで別れたん?」






「え………」







あたしは戸惑って、答えに詰まってしまった。




たっちゃんは、じっと待っている。







「………まぁ、なんやろ。


新歓バーベキューんときに、ちょっと喋って。


そのあと、飲み会のたびに話したりしとって」






「うん」






「一回、あたしが家の用事で早めに帰らなあかんかったときに、ヤマモトさんが駅まで送ってくれはって。


そんで、そんときに………」






「うん」






たっちゃんは先を促すように頷いた。