モテるんは俺の趣味やっ!

きょろきょろと見回すと、すこし離れたところで、金色の瞳が輝くのが見えた。






「あ、たっちゃん、あそこ」





「え、どこ?」





「あの電信柱の陰」





「あ、ほんまや。にゃあ」






たっちゃんが猫の鳴き真似をすると、金色の瞳がゆらりと揺れた。






闇に沈んだ陰から出てきたのは。







「あっ、たっちゃん2号!!」







たっちゃんの顔がぱっと輝く。





真っ白な子猫が、足音もなくこちらへ忍び寄ってきた。






「わあ、お前、なんでこんなとこおんの」





「大学から降りてきたんやろか」





「せやなぁ、ようこない遠いとこまで来れたなぁ」






たっちゃんのもとに寄ってきたたっちゃん2号は、その足の間をするりと通り抜け、たっちゃんのまわりをくるりと一周した。