モテるんは俺の趣味やっ!

「俺はなぁ、『可愛い』依存症なんや!!


一日に最低十回は『可愛い』言うてもらわんとなぁ、『可愛い』不足で禁断症状でんねんぞ!?」







「なにをあほなこと抜かして威張りくさっとんねん!!


聞いとるこっちが恥ずかしわ!!」






「そない言うたかて、ほんまのことやねんもん、しゃあないやんか!!



………あっ、ほら、見てみぃ。


ミサキが俺のこと『可愛くない』なんておっそろしいこと言うから、手ぇが………」







たっちゃんが差し出してきた右手を見ると、ぶるぶると激しく震えている。







「わざとらしいっちゅうねん!!


あんたどこまであほやねん、どん引きするわ!!


もー、そんなんええから、早よ戻ったり!!」







全員そろってこっちに顔を向けてたっちゃんの帰りを待っている集団を指差すと、たっちゃんが思い出したように「せやった!」と立ち上がった。







「ほな、俺、行くわ」





「あー、行き、行き」





「ミサキ、勉強のジャマして悪かったなぁ。


小テストがんばりや。


カラオケ楽しみにしとるで」







たっちゃんはにこやかに手を振りながら立ち去った。