モテるんは俺の趣味やっ!

たっちゃんがそれきり何も言わないので、あたしも黙って座っていた。





もうすっかり暗くなっていて、11月の夜風が冷たい。




あたしは薄手のコートを選んでしまったことを少し後悔しながら、ボタンを留めて身体を縮めた。






その動きが視界の隅に映ったのか、たっちゃんが顔を上げる。






「ミサキ、寒いん?」




「え……まぁ、ちょっとな」





「すまんな、連れ出してもうたから」





「そんなんええけどさ」






たっちゃんはすくっと立ち上がり、ジーンズの後ろのポケットから財布を取り出した。






「なんかあったかいもん買うてくるわ」







あたしが答える間もなく、近くの自販機に駆けていって、缶コーヒーを買って戻ってきた。






「ん。これ、ミサキのぶん。


ブラックの微糖でよかったよな?」





「………うん。おおきに」






あたしは小さく頷き、素直に受け取った。






金色の缶を両手で包み込むと、冷えきった指に、じんわりとぬくもりが伝わってきた。