モテるんは俺の趣味やっ!

キジマさんの腕を離してしまったたっちゃんの顔を窺う。




見たこともないくらい、表情を失った顔だった。





頭上の蛍光灯の明かりのせいかもしれないけど、青ざめているようにも見える。







「………たっちゃん……?」





「……………」






たっちゃんはあたしを見つめたまま、ぴくりとも動かない。





地面にへたり込んだキジマさんは、呆然とたっちゃんの顔を見上げていたけど、突然はっとしたように立ち上がった。






「あっ、ご、ごめん、たっちゃん!!


うわぁ、俺、やってもた………。



たっちゃん、気にせんといて!!


今の話、忘れて!!



ミサキも、ほんまごめん!!


無神経なこと言うてもた!!」






キジマさんが手を合わせて謝ってくるけど、まあ、時すでに遅し。





あたしは溜め息を吐き出して、キジマさんに首を振った。







「キジマさん、謝らんといてください。


べつに悪いことしたわけやないですし………隠しとんのも変な話やったんです」






「いや、でも………」






キジマさんはたっちゃんを見て、困ったような顔をする。






「………ほんま、すまん、たっちゃん」






「……………」