モテるんは俺の趣味やっ!

キジマさんはだいぶ感覚が鈍くなっているのだろう。




あたしとたっちゃんの間に流れる微妙すぎる空気にも気づかず、よりにもよって、「ヨリ戻さへんのか?」と念を押してきた。






………あー、もう、さすがにごまかしきれへんか。






「俺、さっき、ミサキとヤマモトが話しとるの見て、思うたんやけどな」






「……………」






「ヤマモトて、ミサキのこと、ぜったい、まだ好きなんやわ」






「……………」






「なぁ、ヤマモトて、ほんまにええやつやで?


大人やし、頼りなるし、ミサキかて嫌いなったわけやないんやろ?


なぁ、やり直されへんの?」








ーーーーーそんなん、なんて答えたらええねん。




あたしは押し黙ることしかできない。






そのとき。







「ぐえっ」







キジマさんが、潰れたカエルみたいな声を上げた。





支えを失ってバランスを崩し、地面に転がってしまったのだ。