モテるんは俺の趣味やっ!

可愛くない、というワードに、たっちゃんが激しく反応する。







「なに言うとんねん、ミサキ!!


公害やて!? それは大いなる勘違いや!


俺はむしろ公共の利益やっ!!



声を大にして言わせてもらう、俺は可愛ええで!!


なっ、俺、可愛ええやんな?」







驚いたことにたっちゃんは、たまたま近くに座っていた、一回生らしきフレッシュな女の子三人組に、いきなり話を振った。





横顔であたしたちの話を聞いていたらしい彼女たちは、口をそろえて「めっちゃ可愛ええですっ」と同意した。






………おいおい、仮にも先輩に『可愛い』て、どないやねん。




しかし、ま、それを言うたら、もっと『どないやねん』な奴が、あたしの目の前におんねんけどな。







「あほっ!! たっちゃん!!


知らん子ぉにいきなり話しかけるて、なに考えとんねん!!


急に知らんオニーサン話しかけてきたら、女の子びっくりするやろ!?



あんたん頭ん中どないなっとんねん!!」







たっちゃんは、あたしに叩かれた頭を撫でながら、「だってぇ」と唇を尖らせる。






「ミサキが悪いねんで!」






「はぁ!? なんでやねん!!」







今度はなに言い出すねん、このあほは!!