モテるんは俺の趣味やっ!

あたしがとうとう口を閉ざすと、こんどは学食の入り口のほうから「たっちゃーん!」と叫ぶ声が聞こえてきた。







「たっちゃん、たっちゃん!!

こっち来てぇや!!


たっちゃんおらんと、話すすまへん!!」







ぶんぶんと手を振りながら、三人くらいの男子学生がこっちを見ている。







「おー、すまんすまん!!


もうちょい待っとって!!


すぐ戻るわ!!」







たっちゃんも大声で叫び返した。






どうやらたっちゃんは、あのグループと会談中だったらしい。




そんで、あたしを見かけて話しかけに来たわけやな。





あたしは、たっちゃんの頭をぽこんと小突く。







「たっちゃん、はよ行ったりぃや。


あの人ら首なごうして待ってはるで。


大事なオトモダチ、ほかっといたらあかんやろ」







するとたっちゃんが唇を尖らせる。







「そらそやけど、俺にとったらミサキも大事なオトモダチやもん♪


ミサキ見かけたんに声かけへんとか、ありえへんもん♪」







「なぁにが、もん♪、やねん。


ハタチ過ぎの男が『もん』言うたかてきもいだけや。


そんなんぜんぜん可愛いないで。


ただの公害や、やめとき」