あたしは誰かとどこに行く予定もない孤独な暇人だったので、部室に居座り、ソファに身をうずめてたっちゃんバンドの練習を見学することにした。
たっちゃんは自分のギターケースを開け、赤いストラトキャスターを取り出す。
このギターを買いに行くときは、あたしも楽器屋に付き合った。
なぜこれを選んだのかというと、「やっぱ赤のストラトが俺のキャラに一番合っとって可愛ええな!」である。
実際、アメリカンチェリーのような真っ赤なボディは、たっちゃんが抱えると、ものすごくしっくりきていた。
たっちゃんはギターを抱えてアンプの前にしゃがみこみ、ツマミをいじって音色を整えると、真ん中のスタンドマイクの前に立った。
足元のエフェクターのスイッチを足で押し、何回か弦を掻き鳴らして音を確かめる。
なかなかうまい感じにひずんだ良い音が鳴り響いたけど、たっちゃんはうーんと首を傾げた。
そしてもう一度しゃがんで、エフェクターのツマミをいじり、音を鳴らしてみて不満気に眉根を寄せる。
どうやらまだ納得できないらしく、再びアンプの前に行って、トレブルとミドルを少し上げ、ベースを下げた。
立ち上がり、Cコードを鳴らす。
やっぱり首を傾げてしゃがみこんだところで、ギターのダイチが声を上げた。
「たっちゃん、まだぁ?」
たっちゃんは世にも悲しげな顔で振り返り、「ダイチー………」と泣きそうな声を出す。
たっちゃんは自分のギターケースを開け、赤いストラトキャスターを取り出す。
このギターを買いに行くときは、あたしも楽器屋に付き合った。
なぜこれを選んだのかというと、「やっぱ赤のストラトが俺のキャラに一番合っとって可愛ええな!」である。
実際、アメリカンチェリーのような真っ赤なボディは、たっちゃんが抱えると、ものすごくしっくりきていた。
たっちゃんはギターを抱えてアンプの前にしゃがみこみ、ツマミをいじって音色を整えると、真ん中のスタンドマイクの前に立った。
足元のエフェクターのスイッチを足で押し、何回か弦を掻き鳴らして音を確かめる。
なかなかうまい感じにひずんだ良い音が鳴り響いたけど、たっちゃんはうーんと首を傾げた。
そしてもう一度しゃがんで、エフェクターのツマミをいじり、音を鳴らしてみて不満気に眉根を寄せる。
どうやらまだ納得できないらしく、再びアンプの前に行って、トレブルとミドルを少し上げ、ベースを下げた。
立ち上がり、Cコードを鳴らす。
やっぱり首を傾げてしゃがみこんだところで、ギターのダイチが声を上げた。
「たっちゃん、まだぁ?」
たっちゃんは世にも悲しげな顔で振り返り、「ダイチー………」と泣きそうな声を出す。



