モテるんは俺の趣味やっ!

「いまの、誰なん?」







あたしが何気なく訊くと、たっちゃんは「んー?いまのー?」と笑って振り向く。







「えーとな、バイト先の………」






「あー、バイトの先輩か」






「ちゃうねん、ちゃうねん。


えーとぉ、バイト先の友達のー、彼女のー、確か幼馴染のー、えーと、その友達のー、彼氏のー、友達のー、友達、やったかなぁ」







たっちゃんは指折り数えた。




あたしはげんなりと頭を抱える。







「…………どないやねん。


カンケイ遠すぎて理解が及ばんわ」






「あははー。

なんかなー、知らん間ぁにつながってってん。


たまたま同んなし大学やって分かってな。


いやぁ、世間は狭いっちゅうか、人の輪ぁってすごいよなぁ」







「……どないしたら、そない遠路はるばる他人とつながれんねん。


あたしなんかバイト先の人とも友達なんてなられへんわ。


仕事おわったら完全他人やで?」







「ミサキは人見知りやからなぁ」







たっちゃんはふふっと笑って首を傾げてくるけど。