ミーティングが終わると、とりあえず『5時にささき集合』という連絡だけ受けて、いったん解散になった。





それぞれ、バンド仲間や仲の良い子と集まって、適当に時間をつぶすのだ。






ちなみに、こういうとき、たっちゃんは例外なく大人気である。







「たっちゃん、今日どうすんの?」





「予定ないんやったら学食行かへん?」





「あ、ずるー、オレもたっちゃん誘おう思てたのに!!」





「オレらマクドでちょっと腹ふくらましとこ思てんねんけど、たっちゃんもどうや?」





「たっちゃーん、うちらと生協のカフェ行かへん?」





「えー、うちもたっちゃんと喋りたい」





「うちらが先に声かけてんで、たっちゃんは早いもん勝ちや!!」







………とまぁ、こういう感じで、醜い争いというか、あほらしい争いが繰り広げられるわけで。




たっちゃんはそのときどきで違う人たちに付き合うことになる。





そこはもちろん『万人に愛されたがる男』の面目躍如。


たっちゃんなりに平等に均等にその日の相手を選ぶ。




つまり、長い目で見て、選択が一定の人に偏らないようにしつつ誘いに応えるのだから、たいしたものだ。