「ん? なんか落ちたで、ミサキ」






たっちゃんがそう言って下を指差したので、あたしは視線を落とす。





あ、と思って硬直してしまった一瞬で、たっちゃんがしゃがみこみ、それを拾い上げた。






「なんやこれ……写真?」







たっちゃんは首を傾げて、写真にじいっと視線を当てる。





はっと我に帰ったあたしは、「あっ、ありがと!!」と叫んで、たっちゃんの手からそれを奪い取った。



奪った写真を、後ろのポケットにもう一度ねじこむ。




たっちゃんは唖然としてあたしを見上げていた。






「………それ、だれ?


ミサキと一緒に写っとるやつ。


学ラン着とったけど………」







「………………」







しっかり見られてしまったらしい。




くそぅ、目の早いやっちゃ。