モテるんは俺の趣味やっ!

可愛い、と言われるのが大好物なたっちゃんは、その言葉を聞いて、即座に調子に乗る。







「えっ? 俺が可愛ええってことは、飲み行ったらおごってくれはるんですか?」







スズキさんはぷっと噴き出した。







「しゃあないなぁ。


バイト代出たし、おごったるわ!」






「わぁい、おおきに!!」







たっちゃんは大げさな身振りをつけて、芝居がかったお礼を言った。







「あ、スズキさん、俺のアドレス知ってはりましたっけ」






「あ、そーいや知らんわ。


まぁ、ユウあたりに聞けば知っとるやろ」






「ユウさんならメル友ですわ、ほんなら連絡とれますね」






「せやな、そーゆーことで。


ほな俺いくわ、つぎ授業やねん」






「がんばってください!」






「ん、ほんじゃなー」








スズキさんとやらは、にこやかに手を振りながら去って行った。