モテるんは俺の趣味やっ!

もう少しで食べ終わるというところで、食後のコーヒーが運ばれてくる。







「やっぱなぁ、こういうええ感じの喫茶店は、ピラフと冷コーやな!」







たっちゃんはほくほくとした顔で、氷がからころと音を立てるコーヒーを飲む。






ほんっま、ご飯食べてコーヒー飲んだだけで、この世の幸福すべてが降ってきたみたいな、心から幸せそうな顔しとるわ。





あたしは、外が肌寒かったので、ホットコーヒーにした。







たっちゃんがあまりにも美味い美味いと連呼するので、店主のおっちゃんが忍び笑いを洩らしている。




人から向けられる好意に敏感なたっちゃんは、おっちゃんの視線にぴくりと反応して、ぱっと顔を上げた。






「おっちゃん、ピラフめっちゃうまかったわ!!


ほんで、コーヒーも最高やわ!!


ごっそーさん!!」






いきなり話しかけられたので、おっちゃんは一瞬面食らったような顔をしたけど、すぐに笑顔になった。







「うまかったか、そら良かったわ。


うちのピラフはなぁ、今は亡きうちの親父が………」







そこから、なぜかおっちゃんのピラフ談義が始まった。





たっちゃんはにこにこしながらそれを聞き、いちいち「へぇ!」、「ほんまに!?」、「おっちゃんさすがやわ!」などと相づちを打っている。





ほんまに人懐っこいやっちゃ。