モテるんは俺の趣味やっ！

「………………」







そうなふうに言ってもらえるとは思ってもみなくて、あたしはどう返答すればいいか戸惑ってしまう。





あたしが黙っていると、たっちゃんがにかっと笑った。







「ほんでもって、俺は俺で、ええねん。



俺は、ちゃらんぽらんで、お花畑で、のらくらしとって、愛されたがりで、みぃんなからモテることばっかり考えとるけど。


それでええねん。



今のままの自分でええねん。


………そういうもんやと、俺は、思うとるわ」







「………なんやねん、それ。


つまり、自分の愛されたがり屋を正当化しとるだけやん」







我ながらどうしょうもないと思うけど、たっちゃんのかけてくれた言葉が照れくさくて、あたしはそんなふうにきつい物言いをしてしまった。





でも、たっちゃんは、いつも通りの笑顔で、「そぉかもなぁ」と頷く。





あたしもいつも通りの憎まれ口で、どんだけ心広いねん、あほか、と突っ込みたくなったけど、ここは黙っておくことにした。