モテるんは俺の趣味やっ!

勝手に決めんといてよ、と反論しようと思ったところで、「おっ、たっちゃんやんか!」という声が後ろから聞こえてきた。





あたしとたっちゃんは同時に視線を送る。





笑みを浮かべながら近づいてきたのは、あたしの知らない男の人。





てことは、サークル関係じゃなくて学部のほうの友達か?と思ったけど、たっちゃんは異様に知り合いが多いから、そうとも言い切れない。








「たっちゃん、こっちのキャンパスちゃうかったやんな?


たしか工学部やったよな、北キャンパスやろ?


なんでこんなとこおるん?」







「スズキさーん。

ひっさしぶりやないですか。


俺、サークルこっちやから、けっこう南キャンパスにおること多いんですよー」







「あっ、そーなん?


ほんなら次こっちんとき声かけてやー。


たっちゃんと飲み行きたいわー」







「ほんまですかー、うれしなぁ。


俺もスズキさんと飲みたかってん!」







「はははー、可愛ええこと言うやっちゃ」