モテるんは俺の趣味やっ!

へらへらしているたっちゃんと、むかむかしているあたしを見比べた店長は、なぜか嬉しそうに微笑んだ。






「そぉかぁ、ミサキちゃんにもちゃんと彼氏がおったんやなぁ。


よかった、よかった」






「いや、せやから彼氏ちゃいますて」






「挨拶もきちんとできるし、笑顔も可愛ええし、ええ子ぉやないか」






「いやほんまうざいやつなんですて」






「いやいや、ええなあ、若いて」







……………もう何も言うまい。




あたしは諦めて押し黙った。





さらに、上機嫌な店長は、にこやかな顔でこんなことを言い出した。







「ミサキちゃん、昼休憩とってええよ。


せっかく彼氏来てくれたんやから、一緒にごはん食べて来ぃな」







そういうわけで、あたしはなぜか、せっかくの休日の昼ご飯を、たっちゃんと共にすることになってしまったのだった。