モテるんは俺の趣味やっ!

たっちゃんのにこにこ光線から顔を背けるように、店の奥のほうに目をやると、倉庫につながるドアが開くのが見えた。





店長が配達から帰って来たのだ。






「おかえりなさい、店長」






「ご苦労んやったなぁ、ミサキちゃん。


忙しかったんちゃう?」






「まぁ、けっこう盛況でしたわ」






「すまんかったなぁ、一人やとしんどかったやろ?」






そこで、店長の視線がはた、と止まる。




あたしの隣に立っているたっちゃんに気づいたのだ。






「えーと、いらっしゃいませ?」






店長が声をかけると、たっちゃんはへらりと笑う。







「どうもー、店長さんですかぁ?


ミサキがいつもお世話んなっとりますー」






「どんな立場やねん」







あたしがすかさず突っ込んだけど、たっちゃんは構わずに店長に話しつづける。







「俺、たっちゃん言いますー。


ミサキとおんなし大学で、サークルも一緒なんですわー」







「へぇ、そうなん?


あれか、ミサキちゃんの彼氏か?」






「まぁ、そんなようなもんですわー」






「いや、ちゃうやろ!!」







あたしは再び電光石火で突っ込みを入れた。




けど、そんなことを気にするたっちゃんではない。