モテるんは俺の趣味やっ!

ーーーそれは、一枚の写真。





つかんでいる手がかたかたと震えるのを、深呼吸しながらなんとか抑える。






そこに写っているのは、セーラー服の女子高生と、学ランを着たごく普通の男子高校生。





でも、あたしを動揺させるのには充分な写真なのだ。






………なんで、こんな所に……。




全部捨てたと思ってたのに。






本棚のすぐ横に置かれたスタンドミラーにうつったあたしの顔は、自分でも笑えてくるくらいに青ざめて、表情を失っていた。






あたしはその写真をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に放り投げる。





でもすぐに、お母さんに見つかる可能性があることに気づいて、取り出した。






どうやって処分しようかとしばらく思案する。





それから、とりあえず外に持ち出そうと考えて、ジーンズのポケットに詰め込み、あたしは家を出た。