モテるんは俺の趣味やっ!

どうにも居心地がよろしくないので、あたしは「ほなバイト行くわ」と声をかけて、リビングを出た。






二階に上がり、自分の部屋に入る。




着替えをすませてカバンを肩にかけたところで、店に持って来るように頼まれていた本があったことを思い出して、本棚の前に立った。






「えーと、どこに入れたっけ………」






一段目から確認していって、普段あまり触らない、下から二段目の棚で目的の本を見つけた。






「あったあった」






背表紙に手をかけて、本を取り出す。




そのとき、はらり、と、一枚の紙切れのようなものが一緒に落ちてきた。






「………あれ。なんやっけ、これ」






しゃがみこんで、拾い上げる。





裏返して、表を確かめると。







「……………っ!!」







一瞬、心臓が鷲掴みにされたような気持ちになった。