モテるんは俺の趣味やっ!

あたしはふかぶかと溜息をついて、ソファに身を埋める。





背後で、お母さんとユタカが話している声が聞こえてきた。






「なぁなぁ、おかん。


姉ちゃんてなぁ、昔はあない毒舌ちゃうかったよなぁ?」






「せやなぁ、まぁおしとやかっちゅうことはなかったけど、今ほど毒舌ではなかったなぁ」






「いつからあないなってもうたんやろ」






「さぁ、いつからやろなぁ。


高校一年ときくらいから、だんだんきつうなってきた気ぃすんなぁ」






「なんかあったんかな」






「どうやろなぁ……」







二人は、まるであたしがいるのを忘れたように、好き勝手に喋っている。





ほんま、我が家族ながら、無神経っちゅうか、なんちゅうか。





やつらの辞書を改訂して、『デリカシー』っちゅう言葉を載せたりたい。