モテるんは俺の趣味やっ!

あたしは「じゃかぁしいわ。」と呟き、教科書に目を戻した。




すると、たっちゃんが「どれどれ?」と身を乗り出して、あたしの手元を覗きこんでくる。




そして、「おっ」と驚いたような声を上げた。







「うっわー。ミサキ、えらい小難しそうなん読んでんなぁ。

さっすが文学部はちゃうなぁ!」






「なに言うとんねん。

これはただの教科書や。

次の授業の予習しとるだけ」






「ほーなん?

予習かぁ、ミサキはかしこやなぁ。」







たっちゃんは、「よしよし。」と笑いながら、良い子良い子、と幼い子どもにするように、あたしの頭を撫でてきた。




あたしはちょっとびっくりして、肩をすくめてしまったけど、「あほか。」と顔を背けた。