「うっさいなあ。


ほんなら姉ちゃんも遅ぅ起きたらええやん。

そしたらご飯の準備一回で済むやんけ」






「なに言うとんねん、あたしは早ぅ起きてお父さんと一緒に食べてんで。


あんたもお父さんの出る時間に合わせて起きたら、お母さん助かんねん」






「いややー、おとん早すぎんねんもん!」






「なんちゅうこと言うねん!!


お父さんはうちらのために土曜日まで働いてくれてんねんで!?」






「それは感謝しとるけど、朝早いんは付き合いきれん!!」






「薄情もん!!」






あたしが怒鳴ると、ユタカはそっぽを向いて、足をどすっとテーブルに乗せた。







「こらぁっ、行儀わるい!!」






「姉ちゃんこそ、ひとに言えんのか!?


女のくせにあぐらかきよって!!」






「行儀に男も女もあるかい!!


あぐらはちゃんとした座り方やん!!


テーブルに足乗せんのは、どこに行っても不作法や!!


やめんかい!!」






「うっさいなぁ!!」






ユタカは口を尖らせながらも、足を下ろした。




ほんまにもう、高校三年生にもなって、まだ反抗期やねんから、困ったもんやで。



昔は「姉ちゃん、姉ちゃん」てあたしの後ついて回って、えらい可愛らしかってんけどなぁ。