「ミサキ見とるとな。



流行にながされへんと、ちゃあんとポリシー持って。


自分の好きなもん、自分に似合うもんを、しっかり見極めて。


そうやって、自分の身につけるもんを、ていねいに時間と心かけて選んどるっちゅう感じがするわ。



そういうんな、ほんまに、ええと思うで」







「…………そら、どーも」








手放しに褒められて、あたしだって悪い気はしない。




ここは素直に受け取っておくことにした。







―――――なんやろな。



あたして、こんな素直なキャラちゃうはずやねんけど。




ほんま、調子狂うわ、たっちゃんとおると。







「♪ありの~ままの~


すがた見せるのよ~♪」






言葉もなく俯いているあたしの隣で、たっちゃんが小さく鼻歌をうたっている。




これは、あたしへのメッセージかなにかのつもりだろうか。





べつに、あたしは、変わりたいとか思ってるわけじゃないんだけど。





でも、たっちゃんの厚意は、素直に受け取ることにしておこう。