蓮のマンションから出て、近くの公園に入ると、蓮は歩くのを止めた。



『蓮?』



なかなか振り返らない蓮を心配して、名前を呼ぶと、腕を引かれて前に体が倒れた。



「くそっ」



前に倒れかけた体は、蓮の腕の中にスッポリと入り、強く抱き締められた。


蓮は悔しそうに、弱音を吐き出した。



『大丈夫だよ。
私は蓮の側にいるから』



そんな蓮を私はただ優しい言葉をかけて、安心させるしかなかった。


こんなに自信無い蓮は初めて見た…


お母さんに交際を反対して不安なのか、アメリカに行くことが不安なのか…



「俺だって、せっかく手に入れたんだ
絶対に離さないっ」



私をどこにも行かせないように、さらに力を込めた。