「もし、来なかったら…ちゃんと諦めるから」



それだけ言い残して蓮はジャリジャリと石の擦る音を響かせてどこかへと行ってしまった。


静まり返り、海が波を作って岩山に当たる。

取り残された私はキュッと下唇を噛んだ。




『そんなの…、勝手だよ…っ』



いや、勝手なのは私も一緒だね。






ねぇ、私はどうすればいいの―…








頬から流れ落ちた涙は岩下の海へとポタポタと落ちていった。