それから私は、一度旅館に帰り気持ちを落ち着かせてからもう一度あの高台へ向かうことにした。
ずっと待っていてくれたから、また悲しい思いをさせないために……。

ユウコさんが言ってた。
白骨化した状態で見つかった光君は、何者かに殺されたらしい。そして、殺された後、あの桜の木の下に埋められたんだって…

あそこに埋められてなかったら、どうしたんだろうか…

それは私にも分からない。

でもね、私は光君と交わした約束、ずっと忘れないよ。

『ずーっとまってるよ。このさくらのしたで。』