漫画とかではよくある枝を踏みつけて敵にばれちゃう、

っていうパターンは絶対に現実では起こらないって思っていたのに。

近くに捨てられていた空き缶蹴飛ばしてしまうなんて、どれだけバカなの私ってば。

男の子が私に視線を向けたと思ったほぼ同時に、私は全力で走りだす。

おまわりさん呼んだ方が良いと思ったけど、あれだけの怒号だ。

誰かが呼んでいるだろうし、私自身がそんな事をする余裕なんてどこにもない。今はただ逃げるだけ。

だけど……あの声、どこかで聞いたような気がするんだよなぁ。