動かない彼の服から文を取り出す。
そしてそれを自分の服の中にしまった。
「おい、そいつを離せ。引き上げるぞ」
いつもより強い口調でそう告げると、彼女は解放され、僕の周りに数人の男が集まった。
「アンタ、何したかわかってんの」
彼女は嗚咽交じりに言った。僕を睨みつけている。
「わかってるよ。仕える里を変えただけじゃないか。罵倒されたり非難されたり、もう嫌なんだ」
「その程度の理由で…師匠を殺したっていうの!?」
「そうだよ」
嘘だよ。
非難されようが虐められようが、師匠と彼女さえいればよかった。
だけどそれはもう叶わない夢だから。


