ージュッ

「いったぁ…お母さんこれは?」

…また…昔の夢か…

「フフ…これはね、私たち一族の印よ。

とても素敵でしょ?お母さんとお揃いよ。」

そう言ってお母さんは前髪をあげて自らのおでこを見せてくれた。

「本当だ!!一緒だね!」

そのころの私は嬉しそうに笑っていた。

「いい?ルリ。

この印は誰にも見せちゃダメよ。」

真剣な顔でそう言ったお母さん。

「えーなんで?

こんなに素敵なのに…」

私は拗ねたように言った。

「とにかくダメよ。

前髪を伸ばして見えないようにしなさい。」

「はーい。」

私は不満そうに気の抜けた返事をした。