素直になりなよ、ドラゴンくん!


ピロピロピロンと、エンカウント音が流れた。

「間が悪すぎる!」

エンカウントはいつ起こるか分からないので、ご容赦下さいませ。

【スライムA~Cがあらわれた!】

「あ、逃げない色のスライムです!」

「青のあれをそう呼ぶ奴は初めて見たぞ……。雑魚が、我が輩に挑むか。ドラゴンの経験値(EXP)の多さに目をつけ、ゲームプレイヤーに一泡吹かせるレベルにまで上がるつもりだが、我が輩は甘くはないぞ!」

スライムもレベル上げする世界です。

【スライムAのこうげき!】

「さあ、来い!」

【スライムAは、僧侶にこうげきした!】

「きゃー」

「弱いものいじめをするなあぁ!」

体当たりされる直前に、ドラゴンがスライムAを叩き落とす。

「貴様ら、我が輩があえて察してやったというのに、『弱そうな僧侶がいたから、そっちにしよ。時間がかかってもいい、コツコツレベル上げだー』という、我が輩の察しを無きものにしおって、この努力家どもめ!強い敵に挑み、一気に5レベルぐらい上がってやる根性はないのか!」

たいあたりしか出来ないスライムに、無茶を強いるドラゴンであった。

「ど、ドラゴンさん、私を助けて……?」