「アグアグさん、もしかしてあれも」
「あらかじめ、バグで、我が輩と出会った瞬間にレベルが1になるように仕掛けておいた。貴様は、我が輩が傷つけば赤子のように泣くであろう。そんな無様で耳障りなものを聞く前にやってやったぞ。どうだ、我が輩にしか出来ぬ華麗な技であろう」
内心、誉めてー『いいこいいこ』がいいなー。なドラゴンです。
「ちっ、バグだと……!そうかお前!以前、プレイヤーがバグを使い、無理やりカンストさせた違法ドラゴン!」
「だから、そう呼ぶな」
「くぅ、違法ドラゴンは母親によって葬られたと思っていたが、生きていたか!しかして、お前みたいな楽してカンストした奴に俺は屈しない!例え、丸腰であろうとも、挑んでみせる!ーーハッ、丁度良い縛り(ハンデ)じゃねえか!」
ほう、とトライアグルの見方が変わる。
「いいだろう。かかってこい、貴様の勇者魂、しかと見届け、こちらも全力で相手しよう」
吹雪はなくなった。
宙に舞うトライアグル。
「降りてこいー、拳で戦えー、届かないー」との声が聞こえないほど、トライアグルはーー