素直になりなよ、ドラゴンくん!


ーー

「ゲームプレイヤー復讐への旅に出る!」

朝、僧侶が起きるなりにそんなことを言われた。

「んん?アグアグさん、おはようございます」

「おはようではないっ。何時だと思っている、このおねぼうさんめ!」

正午を回った時間まで、僧侶は寝ていた。自然と、ベッド代わりのドラゴンもそんな時間までうつ伏せになっていた。

「わっ、ごめんなさい!起こして下されば、すぐに起きたのに!あ、もうしかして、起こしちゃ悪いって思って」

「ち、ちちがう、チガウカラナ!我が輩も、今、起きたところだ!」

「アグアグさんも、おねぼうさんですね」

貴様と一緒にするな!と、言えなかったのは、僧侶のなでなでがあったため。

僧侶が撫でやすいように、頭を下げるドラゴン。はっと、我に返り、僧侶と距離を開ける。

「我が輩は、誰にも隷属などせん!」

「朝ご飯、貰ってきます」

「うむ。重い時は、我が輩が運んでやるから呼べーーじゃなくて!」

人の話を聞かない僧侶が部屋を出て行く。
ぽつんと一人残された一室。我が輩は隷属されないと繰り返すドラゴンだった。